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〔少子高齢社会に関する調査会〕地域社会と高齢者について
森ゆうこ
 民主党・新緑風会の森ゆうこでございます。今日は先生方、大変貴重な御意見、誠にありがとうございました。
 私も尊厳死の法制化を進める議員連盟に入会させていただいております。そこで、まず初めに、尊厳死の問題についてそれぞれの先生方の御意見を、せっかくの機会ですのでちょうだいしたいと思うんですけれども、井形先生におかれましては先ほど尊厳死の問題について御説明がありました。それぞれの先生方については、尊厳死の問題についてお話をされたことはないのかもしれませんけれども、せっかくの機会でございますので、この尊厳死の問題についてどのような御意見をお持ちでいらっしゃるのか、参考までに伺いたいと思います、まず。


清水嘉与子会長
 では、最初に井形先生からでよろしいでしょうか。


名古屋学芸大学学長・日本尊厳死協会理事長・日本ケアマネジメント学会理事長 井形昭弘参考人
 ありがとうございます。
 今、超党派で、先ほど申し上げたとき、尊厳死法制化を考える議員連盟がスタートしておりまして、いろいろ御協力をいただいておりますが、私自身は、ここに書いてありますように、健やかに生き、安らかに死ぬ、これが高齢社会の一番のキーワードだと思っております。まず健やかに生きるのに全力を挙げて、そしていつかは死ななきゃいけないわけですから、そのときはダンディーに、かつ安らかな死を遂げたい。ただし、死の有様に関与する権利というふうに私たちが言っておるので、死に様に発言する権利というふうに言っております。死ぬ権利となると、自殺を認めたり、あるいはオランダなんかである安楽死、私たちは安楽死を主張しているものではありません。
 それで、そうすることによって、高齢社会が、日々が、いつかは死ぬのに、そのときは自然に安らかに死ねるんだという保障が付くことによって、高齢社会は非常に生きがいも生まれ、かつ希望が生まれてくると、そういうふうに考えております。


清水嘉与子会長
 それでは、お手が挙がりましたので、鎌田参考人、どうぞ。


諏訪中央病院名誉院長 鎌田實参考人
 僕たち茅野市では尊厳死の地域版というのをつくって、まあ多分あんまり日本ではないと思うんですけれども、尊厳死協会から何度も勉強会に指導に来ていただいて、七、八年、主婦が中心になって、開業の医師会の先生も、それから諏訪中央病院のレジデントを入れると五十名ぐらいの医師が病院にはいるんですけれども、その医師たちもアンケート調査をすると九割ぐらいが尊厳死を認めてもいい。だから、地域で話し合って、もう八年ぐらい理解をし合ってきたので、地域版の尊厳死協会のような尊厳死カードを作ろうということで、僕はその地域版の尊厳死カードを持っています。ですから、僕は自分が突然意識障害起こしたときにはこうしてほしいというようなカードを持っているということになります。そういう方が五万七千の町で今のところ千二百人ぐらい。全員が持つ必要はないと思っているんです。持ちたい人が持てばいい。持てるときに、持ちたいと思ったときに持てるような地域で、持っていったときにそこの地域の医師たちがそういう理解を持っているということが大事かなというふうに思っている。
 ただ、法制化にするかどうかということに関しては、三年前に厚労省の終末期の在り方検討会というところが大掛かりな世論調査をやっていて、そのときの、ちょっと正確ではありませんけれども、六割ぐらいの方がまだ法制化に、尊厳死は大方の方が認めると言いながら、法制化に関しては時期尚早というような世論調査だったので、特にそれから弱者というか、障害を持っている組織の人たちが尊厳死の法制化に関して、自分たち弱い者が何か尊厳死を、カードを書かないといけないような状況に陥るから、どうも自分たちは納得ができないというような意見を聞くと、そういう人たちにとっても自分たちでちゃんと判断できるんだよということを分からすためにはもう少し時間が必要なのかなというふうに思って、取りあえずまず僕はガイドラインを徹底させて、ガイドラインに従った限りは医師や何かに罰則が行かないという形にするのがいいんではないかというふうに考えています。


清水嘉与子会長
 それでは、松田参考人、いかがでしょうか。


産業医科大学公衆衛生学教授 松田晋哉参考人
 私、短い期間ですけれども臨床を少しやったことがあります。その経験から少し考えますと、やはり最終的には尊厳死のようなものが認められるべきだろうと思っています。安楽死はやはりやるべきではないだろうと思います。安楽死に関しましては、井形先生も御紹介ありましたけれども、例えば今オランダが少し反省期に入っています。やはり、もっとやれることがあったんではないかという家族の意見等が取り上げられるようになっていますので、やはり安楽死というのは少し駄目だろうと。
 そういう意味では、自然に尊厳死のようなものに行くべきだろうとは思いますけれども、今日、先ほど惣万さんが話されたように、死というものが、やはり今のように日本人の生活から非常に切り離された状態で、その生死にかかわるところが最終的にはすべて医療者に今任されているような状況になっています、すべてお任せしますというような形で。そういう段階、そういう過程で、我々医師が、あるいは看護師、看護職がその責任を取らなければいけないかということに対してやっぱりまだ少しためらいがあろうかと思います。
 その意味ではやはり、この死というものに対して国民的なもう少し理解が進まないと、人間はいつかは死ぬんだというお話が先ほどありましたけれども、そこに関してやはりもう少し理解が進まないと、この尊厳死の問題というのは先に進めないのではないかなというふうに考えます。
 そういう意味では、国民に対してこういう問題に対する議論をもう少し深めていただきたい。それをやることによって、私は、井形先生がおっしゃられたような方向に必ず行くんではないかなというふうに考えております。


特定非営利活動法人デイサービスこのゆびとーまれ理事長 惣万佳代子参考人
 惣万です。
 看護婦なんですけど、尊厳死そのものがよく本当は分かっていないんですよ。ただ、富山出身なんで、射水市民病院で抜管の問題になったときに、その院長側と外科部長側で七例あったんですね、もめたわけなんですね、富山で。
 私は、考え方としたら、伊藤部長、外科部長の考え方が好きでした。それに患者、家族がだれ一人文句を言ってるわけじゃないがですよね。それと、私はその後、富山県は倫理委員会をどの病院にもつくって、要するにいったん付けたらもう外さないとなってしまったがですよ。私はおかしいんじゃないかと。緊急の場合にやっぱり付けんなんときが出てくるわけなんですよ、肺炎とか何かで。でも、いったん付けても、いつか外す権利はやっぱり、本人は余り意識なくて分からないかもしれぬけど、外す権利はあるんじゃないかなと私は思います。
 私は、老人の死をずっと見てきまして、このゆびとーまれで亡くなったのは、畳の上で亡くなったのは六事例です。ほとんどのお年寄りはもう自然死ですよね、点滴一本すらもうしません、御飯食べれぬようになったらもう死です。私はそれでいいんじゃないかなと思っています、家族と本人が望むなら。緩やかな死。
 私は、死そのものは、何か暗いイメージとか、もう何か負のイメージなんですけど、私は、死というものはある意味では卒業で、青いブルーみたいな、きれいな。ある宗教家が言っていましたけど、惣万さん、天国っちゃパラダイスやよ言うて、えっ、どうしてパラダイスなの言ったら、だれ一人帰ってこんねかいね、やっぱりいいところながやっちゃと言われたから、ああそうかと、そういう死を取れればいいのかなと。
 今、千の風の新井満さんのもあるように、死んでなんかいないようやら言うし、あれ、みんなよう、このゆびとーまれでも歌っとんがですよ。ばあちゃんたちも、意味分かるか分からぬかしれぬけれども、死んでないよ、墓になんか入らんがだとやら言って、やっとんがですよ。ああいうような歌もどんどんみんなで広めていけばいいんじゃないかなと私は思っています。
 鎌田先生のぴんぴんころりですけど、私も、できたらぴんぴんころりで死にたいがですよ。ただ、私、ごめんなさい、鎌田先生は私が言ったらまたいろんな意見があると思うけど、ただ私は、国としてぴんぴんころりを進めたらいけぬがじゃないかなと思う。意味分かります。個人としたら、ぴんぴんころりと言っとっても、それは勝手、自分の命だからいいんだけど、国としてぴんぴんころりを進めますということはできぬがじゃないかなと思いますよ。
 ということは、人間というのは、じゃ介護を必要になった方が、病気になったら、じゃ罪なことかとなるわけですよね、取りようによっちゃ。ぴんぴんころりになって死なんじゃ。じゃ障害者の方もまた言いますね。おれたちは先天性で初めから、ぴんぴんころりどころか、おれたちはずっと迷惑掛けて生きてきたんだと、おれたちは生きとること自体がおかしいがかって、また言い出しますよね。これ、ちょっと尊厳死とは全然違うんですけど、ごめんなさい。
 そういうことで、先生の言っておられるんがとちょっと的外れとるかもしれぬがですけれども。
 ありがとうございました。


清水嘉与子会長
 ありがとうございました。
 森さん、いかがですか。


森ゆうこ
 ありがとうございました。的は外れてないと思います。
 私は、尊厳死というか、要するに尊厳のある生き方を全うするために、医療、そしてまた介護がそれぞれの機能分担をし、そして十分に連携をして充実させていかなければならないということだと思うんですね。
 そういう意味では今ほどの先生のお話も、本当にすばらしい御意見をいただいてありがとうございます。厚生労働委員会に所属しておりますので、大臣には必ずこの尊厳死について、それぞれの大臣の御意見を伺うことにしておりますし、また今後の議論の中でも、この問題について先生方の意見を参考にしながら議論をさせていただきたいと思っております。
 ありがとうございました。



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