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〔厚生労働委員会〕児童虐待について。
森ゆうこ
 民主党・新緑風会・国民新・日本の森ゆうこでございます。
 神本民主党のネクスト子ども・男女共同参画担当大臣が、まず最初に我が党の基本的な考え方について質問されました。そして、大河原議員の質問に続きまして、私は特に虐待の問題について、それを中心に質問させていただきたいと思います。
 通常国会でも虐待の問題について質問をさせていただきました。また、過去にもこの委員会で何度か取り上げさせていただいております。最も救わなくてはならないこの虐待の問題でございますが、まず、生後四か月までの全戸訪問事業や育児支援家庭訪問事業、これが法律上位置付けられることになったわけですけれども、これは、まずはだれでも虐待の加害者になり得るという基本的な認識に立ってそれを予防するという大きな前提があるかと思いますが、どのくらいの市町村で現在実施されているのか、御報告をいただきたいと思います。

村木厚子政府参考人
 お答え申し上げます。
 まず、生後四か月までの全戸訪問事業でございますが、二十年度における実施見込み市町村数で申し上げますと、千二百四十四市町村、七一・八%でございます。昨年度に比べますと一三・六ポイントの増加となっております。また、育児支援家庭訪問事業につきましては、こちらの方が割合が低うございまして、八百市町村、四五・四%、昨年度に比べて二・五ポイントの増加となっているところでございます。

森ゆうこ
 今回、法律上位置付けられることになったわけですけれども、今ほどの御報告ですと全国的な実施と言うにはほど遠い状況なのではないかと思いますが、これからどのように実施率を高めていくおつもりなのか、御答弁をいただきたいと思います。

村木厚子政府参考人
 今般、この二つの事業は法律に位置付けられることになるわけでございます。全国の市町村で実施をしていただきたいということで、法律の中で市町村にその実施に向けての努力義務をまず課すということになっております。法律が通れば、このことを市町村にしっかりとお伝えをしていきたいと思います。
 それから、今、先進的な自治体で非常に良い取組が進んでおります。国におきまして、これらの具体的な実施方法や対応方針、それから具体的な個々人に対する支援計画の作り方ですとか対応の仕方、それから実際に訪問する人への研修の在り方、こういったものを、先行自治体の状況をよく踏まえて、ガイドラインを作って市町村にこれを周知をするということで、こういった取組を通じて全国の市町村でできるだけ早く実施をしていただけるように努力をしたいというふうに考えているところでございます。

森ゆうこ
 数値目標というか、時期的な目標は設定されますか。

村木厚子政府参考人
 具体的にいつまでに全市町村という形の目標設定は今のところ考えておりませんが、もう法律になったからには、これはできるだけ早く全市町村実施ということを目標にしたいというふうに考えております。

森ゆうこ
 後でまた大臣にもこの件に関しても触れて御答弁をいただきたいと思いますが、やはりいつまでに一〇〇%達成するという具体的な目標を掲げることが私は非常に重要だというふうに思っております。
 今ほど申し上げました、だれでも虐待をしてしまう可能性がある、子育てが孤立化をしていく中でお母さんだけが一人で子育てを抱え込んでしまうと、こういう状況があるわけですね。だれでも虐待をしてしまう可能性がある、それを予防しよう、そういう考え方と、もう一つ、特に虐待が起きるのではないかと、家庭によって特に注意すべき場合があると、私は二通りあると思うんですね。
 それで、お聞きしたいんですが、子供の無保険の家庭について先般報告されたところでございますが、無保険の家庭においては、私は要保護児童がいる可能性が高いと思われますが、特に注意すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

村木厚子政府参考人
 子供の無保険の問題につきましては、特にこの無保険の状態になっているのに様々な事情があると思いますが、いずれにしても、子供がいる家庭について何らかの支援が要る可能性というのは非常にあり得ることだというふうに思っております。
 今度この無保険の問題についても、資格証明書の発行その他いろいろな手続を取る際に養育環境に問題がありそうな世帯を把握した場合には、できるだけ市町村の児童福祉部局、児童相談所につないでいただくということをお願いしたところでございます。こういった形で、できるだけ要支援家庭を早く発見できるようにということで努めてまいりたいと考えております。

森ゆうこ
 子供の無保険の世帯をそのままにしておくということは非常にそれはまず許されないことだというふうに思いますが、この無保険の家庭をとにかく解消すればいいんだということで、ただ何も事情を聞かないままこの状態を解消してしまうのも私は少し問題があるのかなというふうに思っております。
 今ほど局長が御答弁になりましたように、十月三十日に出されましたこの通知の中でも、やはり厚生労働省もこの養育環境に問題のある世帯に対する対応ということで、こういう子供が無保険の家庭において、このような要保護児童がいる可能性ということを恐らく強く意識をされてこのような通知を出されたというふうに思いますが、いかがですか。

村木厚子政府参考人
 せんだっての調査で三万人ほどのお子さんがこういう世帯にいるということが分かったわけでございます。無保険になっている原因そのものには様々なものがあろうかと思いますが、この資格証明書なども、とにかくその無保険になっている家庭とコンタクトを取るということが一番大事なことというふうに承っております。その意味で、こういうチャンスをつかんで、むしろ健康保険の無保険の問題だけではなくて、お子さんが置かれている状況、その家庭の状況ということをつかむきっかけになるものというふうに考えておりますので、これを契機にしまして、そういったお子さんの状況をできるだけ児童福祉の専門の機関のところにつないでいけるということが非常に大事だというふうに考えているところでございます。

森ゆうこ
 十月三十日の通知によって、その前にも三分の二の自治体は既に何らかの手当てをして無保険の子供ができないような対応をされているわけですね。残る三分の一の自治体が問題であると。十月三十日の通知で、そういう自治体に対してしっかりと対応するようにということで、今ほど申し上げました内容も含めて通知を出されたわけです。何の対応もされないというところがあるのが一番困るんですけれども、大臣、いかがですか。通知も出されたんですけれども、特に子供が無保険になっている。無保険の家庭そのものの存在についてきちんと厚生労働省としてもっと対応すべきではないかと考えますが、いかがですか。

舛添要一厚生労働大臣
 先般の通知も発出したところでありますけれども、まず予防をしっかりする。それから、やはりこれは虐待の問題含めて福祉の部門との連携が非常に必要だと思いまして、これを特に強調してやりたいのと、緊急な場合にはもうとにかく対応しなさいということを指示をしておりますので、今後ともきめの細かい対応をするべきであるということをこの市町村に対して指示をし、これはいろんな相談にも乗っていきたいというふうに思っております。

森ゆうこ
 それで、虐待とそして経済的に困窮している家庭との相関関係について、厚生労働省がどういう御認識を持っていらっしゃるのか伺いたいと思います。
 今のお話は、無保険の家庭において要保護児童がいる可能性が高いんじゃないかということを申し上げました。
 実際に経済的に困窮している家庭と虐待との相関関係については、今年の三月二十七日に第四次報告が出されました児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会の報告についても触れられておりますけれども、厚生労働省としての御認識を伺いたいと思います。

村木厚子政府参考人
 虐待とそれから家庭の貧困、経済的な困窮についての相関でございます。
 虐待すべてについてマクロ的に家庭の経済状況との相関を調べた調査はございませんが、先生が御指摘をくださいましたように社会保障審議会の児童部会の下に置いております児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会、この委員会で検証をしております。
 この検証については、特に虐待により亡くなられたお子様がいる家庭の所得の状況を調査をしております。サンプルが非常に少のうございますし、所得の状況がつかめなかった御家庭もありますが、心中事例を除いた百五十一の事例のうち家庭の所得の状況が把握できた事例が六十三でございます。このうち九事例が生活保護世帯ということでございました。この割合は一四%ということでございますので、これは相当高い数字というふうに思っております。また、東京都が、これちょっと古いんですが、十五年度に千六百九十四件の児童虐待について実態分析を行っておりますが、このときのデータで見ますと一五・三%が生活保護世帯ということになっております。
 一般的に高齢者世帯を除いて総世帯に占める生活保護世帯の割合、十八年度の数字が今手元にございますが、一・五%でございますので、やはり経済的な困窮というのは一つのリスク要因というふうに考えるべきと考えているところでございます。

森ゆうこ
 先ほどの第四次報告、児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会、この虐待死に関しての報告を見ますと、心中と心中以外に分けてあるんですが、心中以外で見ますと、生活保護世帯が二一・一%、これ有効割合です、市町村民税非課税世帯が三六・八%、これを合計しますと五七・九%。明らかに、明らかに経済の困窮とこの虐待、私は相関関係があると思います。そして、新聞報道等でもこれに警鐘を鳴らしております。OECDのデータによりますと、十七歳以下の子供の七人に一人が貧困状態にあると、日本においてはですよ。舛添大臣、この日本において十七歳以下の子供の七人に一人が貧困状態にあるというふうにOECDのデータで示されているところでございます。
 私は、やはりこの貧困の固定化、負の連鎖というのを断つべきだと、そのために大きな政策転換が必要だというふうに考えます。児童扶養手当の削減、母子加算の廃止等々、本当に弱い者いじめ、一番手を厚く差し伸べなければいけない人たちのところを真っ先に切り捨ててくる、こういう施策をもう大転換をして、この負の連鎖を断ち切るべきだと考えますが、大臣の御所見をいただきたい。

舛添要一厚生労働大臣
 児童福祉の観点から様々な施策は行ってきておりますし、これは各自治体とも連携してきちんとやれるように、そして重点的な対策もやっております。
 社会保障全体についての財源については、先ほど神本委員との議論がありました。ただもう一つ、これは施策という点もありますけれども、私は戦後すぐ子供時代を送りましたけれども、やはり全体の地域の力とか家庭全体の力とか学校全体の力とか、そういうものが、あの当時は非常に貧しい状況でしたけど、まだ残っていたような気がします。ですから、そういう点についても目配りをするとともに、やっぱり総合的に児童福祉という観点から更に予算をきちんと付けて、きめの細かい対応をしていくように努力をしてまいりたいと思います。

森ゆうこ
 二兆円をばらまくかと思えば二千二百億円の社会保障費の削減を継続するという、私、全くもう支離滅裂で何を考えているか分からないんですよ。これに深入りするとほかの議論ができなくなりますので。
 それで、平成十六年の児童福祉法の改正によって平成十七年度から市町村も虐待通告の対象になりました。本当に機能しているのでしょうか。特に町村など規模の小さい自治体では十分対応ができていないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

村木厚子政府参考人
 平成十六年から御指摘のように市町村がこの窓口となりました。市町村における相談件数でございますが、平成十九年度に五万二千件という大変大きい数字になっております。そういった意味では、市町村も窓口として大変役割を果たしてくださっているというふうに考えております。
 しかしながら、この市町村の相談体制を見ますと、市町村の児童家庭相談担当職員のうち児童福祉司あるいはそれと同様の資格を有する方というのは一二・三%にとどまっているという状況でございます。それから、子どもを守る地域ネットワークの調整機関の担当職員の方も同じ水準で見ますとやはり一二・三%ということでございまして、市町村からは大変その専門職員の確保などが難しくて実際に機能するために課題があるというふうに伺っているところでございます。
 そういった意味で、携わるスタッフの質の確保、それから、不慣れな市町村もございますので、この専門性をどう確保していくかということが非常に大事で、ここへの補助をしっかり行っていきたいというふうに考えているところでございます。

森ゆうこ
 是非ともその観点で支援をしていただきたいと思います。麻生さんは地方分権だからいいんじゃないとか。あれは全然意味が違うと思いますね。地方分権の意味が分かっていない。こういう問題に関してはやっぱり国としてしっかりそういう体制ができるように支援をすべきだというふうに思っております。
 先日も札幌市で、母親が娘を小学生のころから八年間も家に監禁状態にしていて、十九歳になってようやく保護されたという事件が発生しております。なぜ八年間も保護できなかったのか。小中学校が不登校として処理していたり、父親から市役所に相談していたという報道もございますが、関係機関の連携が取れていなかった、全く取れていなかったのではないかと思いますが、いかがですか。

村木厚子政府参考人
 大変札幌市の事案も痛ましい事案でございました。御指摘のように、学校は不登校と認識をし、また父親の方から、これはかなりお子さんが大きくなってからの時点かと思いますが、母親の関係で精神保健相談等があったというふうに聞いております。この事案について札幌市でも今検証を進めていただいておりますが、関係機関が子供の虐待が疑われる状況を把握した場合にできるだけ早く児童相談所へつながっていれば、通告があればもっと早く防げた案件でもあろうかと思います。
 先ほども申し上げた子どもを守る地域ネットワーク、これが設置だけではなくて、具体的に特に実務者の間でこの問題が機能する、このネットワークが機能するということが非常に重要になってきているというふうに思っております。札幌市等の検証結果なども今後踏まえまして、ネットワークの在り方、関係機関の連携の在り方について更に強化をしたいというふうに考えております。

森ゆうこ
 私もいつも文句言っているばかりじゃなくて、時には厚生労働省の取組について評価を率直にさせていただきたいと思っているんですが、今ほどお話のありました子どもを守る地域ネットワークの設置につきましては、度々一〇〇%になるように一生懸命やってほしいということでお願いをしてまいりましたが、今日皆様のところに資料を配らせていただいております。なかなかすぐにとはいきませんでしたけれども、それでも前へ進んでいるんだなということで、率直に評価をさせていただきたいと思います。
 それで、また今ほど局長の方からも、そのネットワークが実際に機能するのか、きちんとフォローしていってくださるという御答弁もいただきました。一言だけこのネットワークの設置、見込み、今の状況とその設置見込みについて簡単に御報告いただきたいと思います。

村木厚子政府参考人
 今委員からも資料を配付いただきましたが、この二十年四月一日現在でございますが、市町村の設置割合が九四・一%、昨年に比べて一〇・〇ポイント増加をしたところでございます。もう一息というところでございます。
 全県に設置をされるとともに、この調整機関にやっぱり専門のスタッフができるだけ置けるようにということ、今回法改正でもその点取り入れておりますが、それから、偉い方だけの会議ではなくて実務のレベルの会議が動くとか、非常にその点が大事だというふうに聞いておりますので、そういったことでうまく運用しているところなどの状況も各自治体にお伝えをして、これが実質的に子供たちの虐待を防ぐものとして、あるいは要支援家庭を早く見付けて福祉につないでいくネットワークとして機能するように努力をしたいというふうに思っております。

森ゆうこ
 是非取組をお願いを申し上げたいと思います。
 それで、先ほど来お話が出ておりますが、児童相談所に寄せられた虐待の相談件数が平成十九年度には四万六百件にも達しました。児童虐待防止法施行前の平成十一年度の三・五倍に増えております。また、虐待による子供の死亡事件が相変わらず後を絶たない状況でございます。
 こんなに多くの虐待の相談に児童相談所は果たして対応できているんでしょうか。

村木厚子政府参考人
 大変虐待の件数が増えているということで、児童相談所に掛かる負荷も大変大きなものになっております。
 年々、地方財政措置で、特に相談の中心になります児童福祉司の増員についてお願いをしてきたところでございます。今年は一名でございますが、昨年は三名の増員というようなことでやってきておりまして、今標準団体、人口百七十万人でございますが、その百七十万人当たりの児童福祉司の数が二十九名というところまで来ております。
 それから、特に来年度の概算要求で、保護者指導が非常に大きな課題となっておりますので、児童福祉司と連携をして保護者指導を行っていただく保護者指導支援員も新たに配置ができるように必要な経費の概算要求をしているところでございます。
 このような施策を通じて児童相談所の機能強化を図ってまいりたいと考えているところでございます。

森ゆうこ
 今ほど御報告をいただいたんですけれども、しかし、実際、児童福祉司一人当たりのケース数というのはやはり増えている状況だと思うんですけれども、児童福祉司一人当たり何件ぐらいのケースを持っているのか、御報告をいただきたいと思います。

村木厚子政府参考人
 児童福祉司も数は増やしてまいりましたが、虐待の相談も大変増えているということでございまして、児童福祉司一人当たりの平均の件数、どのぐらい持っているかということでございますが、まず、相談件数で申し上げますと、平成十五年に一人当たり百九十七件、年によって上下をいたしますが、平成十九年度、今手持ちの一番新しい数字で百六十三件、こちらはわずかに減少しております。
 一方、虐待相談そのものにつきましては、平成十五年度、一人当たり新規件数で見ますと十五、平成十九年度では十八ということで、むしろ御負担が増加をしているというような状況にございます。

森ゆうこ
 今御報告いただいたのは一人当たりの新規のケース数だというふうに思います。
 その数字を聞いただけでも驚きなんですけれども、実は児童福祉司さんが対応するケースというのは継続もあるんですね。継続も入れますと、実はもっと一人当たり多くのケースを抱えているんじゃないかというふうに言われておりますが、それについてはいかがですか。

村木厚子政府参考人
 御指摘のとおりでございまして、これ統計データを取るのに新規の件数で取っております。継続案件がありまして、大変御負担が大きくなっているというふうに認識をしているところでございます。

森ゆうこ
 結局、舛添大臣が私の進言を入れて訓示してくださったのかどうか分かりませんが、六月十七日に全国児童福祉主管課長・児童相談所長会議があって、大臣も訓示をしていただいて、様々な御報告がなされたんですが、大阪の寝屋川の例の虐待死事件の検証結果が報告をされております、この資料をいただきますと。そこの三百三十六ページですか、全体の、この報告の三十ページの中にこういうふうにあるんです、「おわりに」というところで。「看過できないのは、子ども家庭センターも寝屋川市も膨大なケース数を抱え、多忙を極めていたことである。このことが個々の事例への的確なアセスメントや迅速な対応、円滑な機関連携を阻んでいたことは明らかである。子ども家庭センターおよび市町村における相談支援体制、とりわけ人的体制の強化が喫緊の課題であることを強調しておきたい。」。
 何もこの例を出すまでもなく、とにかくマンパワーの不足ということは以前から言われておりまして、私も何度となくここでお願いをさせていただいておるところでございます。徐々に御努力をいただいて現場の数を増やしていただいているということは十分分かってはいるんですが、しかしなおこういう状況、非常に厳しい状況なんですけれども、いかがでしょうか、大臣、ばらまかないでね、お金、こういうところにしっかりとお金を付けていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。

舛添要一厚生労働大臣
 三月にこの委員会で森ゆうこ委員からきちんと訓示をしろということでありましたので、六月の十七日に、これ初めて児童福祉主管課長と相談所長を両方集めて、きちんとやるようにということを指示いたしました。それで、いろいろ人員削減という枠の中で、しかし必要なところはめり張りを利かせながら増やしていこうということで着実に今努力をしておりますけれども、まだまだこれで十分ではないと思いますので、今後ともまた引き続き努力をしてまいりたいと思います。

森ゆうこ
 よろしくお願いいたします。
 それでは続きまして、二問続けて質問させていただきたいと思います。
 今年四月に施行された改正児童虐待防止法の児童の安全確認・保護の新しいプロセスは生かされているのか。皆様のお手元の資料二枚目でございます。
 そして、あわせて、目視対応。前回、三月のときにもここで申し上げました。キーワードは目視、目で見る、目で確認する。虐待の通報があったときに、まずだれかが必ず目で確認をするということが一番大切なんだということを、ここで今日も改めて言わせていただいて、目視対応の四十八時間ルールが徹底されているのか、併せて御報告をいただきたいと思います。

村木厚子政府参考人
 まず、今年の四月から施行されました改正児童虐待法に基づきます児童の安全確認・保護の新しいプログラムでございます。解錠、錠を解くという方の解錠でございますが、解錠等を行って立入調査もできるようになったわけでございます。今年の四月一日施行でございますので、八月末までの五か月間の状況を調査をいたしました。
 先生が資料を御提出くださっておられますが、このプロセスに基づきまして、制度に基づきまして、知事の出頭要求については九件でございます。それ以降のプロセスに入ったものは、いまだないということでございます。出頭要求を行いました九件につきましては、その後、この出頭要求をきっかけにして展開があって、児童の一時保護などが行えて対応が取られているというふうに聞いております。そのために強制的な臨検、捜索までにはいかなかったということでございますが、そういった意味で、この新しい手段が児童の安全確認につながっているというふうに考えております。
 まだこれは五か月の状況でございますので、この後の状況をよく確認を、施行状況について実態把握をしていきたいと思っております。
 それから、目視をする、直接安全確認を直接目視でするということは非常に大事なことでございまして、平成十九年の一月には、いわゆる四十八時間ルールということで各児童相談所にお願いをしたところでございます。実態としまして、四十八時間以内というルールを定めたところが六十二自治体、二十四時間以内というところも四自治体ありまして、六十六の自治体すべてのところで一〇〇%このルールは設定をいただいたところでございます。
 具体的にこれが今どのように運用されているかということについての統計データはございませんが、重大事案につきましては、すべてこの問題も含めて国及び地方公共団体で検証をしっかりやっていきたいというふうに考えているところでございます。

森ゆうこ
 新しいプロセスがこういうふうにできたわけです、こうやって図解にしていただくとよく分かるんですけれども。でも、なかなかやはり母子分離というんですか親子分離させる、緊急に対応しなきゃいけないんですが、そういうことについて現場でなかなかちゅうちょがあるということもあるやに聞いておりますので、またその辺に気を付けながら是非フォローをしていただきたいというふうに思います。もう本当にくどいようですけれども、必ずだれかがすぐに確認をする、直接その子供を見るということがあれば虐待死免れていたんじゃないかなという思いのする事件が本当にたくさん多いので、もうこれをとにかく私は徹底をしていただきたいというふうに思います。
 そのせっかく救出をされた子供が、例えば一時保護所、救出された子供はその喜びを例えばここへ来てやっと自由に息ができた、こんなコメントをする、それまで置かれていた本当に悲惨な状況というのは想像を絶するんですけれども。また、一時保護所に救出されます。しかし、児童養護施設などに空きがないため子供が一時保護所から出られず、定員を上回る子供が生活している一時保護所もあるというふうに伺っております。
 今般、様々な形で社会的養護体制が全国的に整備していくためにこの法案が出されているというふうに思っておりますけれども、児童養護施設など、このような社会的養護体制をしっかりと全国的に整備をしていくべきと考えます。
 来年度の予算要求についても御答弁をいただきたいと思います。

村木厚子政府参考人
 一時保護所それから児童養護施設自体も入所率が非常に高い状況になっているところでございます。社会的な養護体制そのものをやはり各地域で計画的に整備をするということが重要になってきているというふうに考えております。
 今回の改正法の中にも、次世代育成支援対策推進法に基づく都道府県行動計画の記載事項として社会的養護を具体的に明示をして、これについても計画を作っていただくということ、またこの計画を作る際に国がお示しをする行動計画策定指針というのがございますが、この中で、社会的養護の提供体制に関してその提供量を見込むときに勘案すべき事項というのを国の方でこの指針の中に盛り込んで、それを見ながら各自治体で行動計画を作っていただくということをやっていきたいというふうに考えているところでございます。これによって計画的な整備を図りたいというふうに思っております。
 また、二十一年度の概算要求でございますが、里親ファミリーホームでございますとか里親委託そのもの、それから児童養護施設、とりわけ小規模ケアの推進、それから養護施設本体の施設整備など、必要な予算の要求をしているところでございます。

森ゆうこ
 額を聞いているんですが、二十年は、要するに私の聞きたいのは、社会的養護という部分で見ると二十年は千五百五十億円ぐらいだと思うんですけれども、二十一年度の概算要求でいろんなまた新しい施策も付いているわけですが、幾らぐらい要求しているんですか。

村木厚子政府参考人
 まず、全体額を申し上げます。
 国費ベースでございます。昨年、七百九十八億六千七百万の要求でございました。二十一年度においては、八百四十一億四千二百万の要求をしているところでございます。
 総額は、以上でございます。

森ゆうこ
 それはどの区分でですか。ちょっとごめんなさい。

村木厚子政府参考人
 社会的養護体制の拡充ということで、家庭的養護の推進、それから入所児童への支援の充実等々を総計をいたしまして八百四十一億ということでございます。

森ゆうこ
 ちょっともう少し質問のやり取りしておけばよかったんですが、この施設のすべてのいろんなお金を入れて社会的養護が全体で幾らかということをお聞きしたかったんですけれども、また後で答えられるようだったらお答えをいただきたいと思います。
 それで、次の質問に移りたいんですが、児童虐待問題では子供の保護に重点を置くために時に親と対立することもありまして、虐待を行った親のケアを児童相談所が行うのは難しいという指摘もございます。親子が再び一緒に暮らすためには、親に対するケアを行い、そして意識、考え方を変えることが不可欠でございます。
 虐待を行った親に対するケア、そして指導についてどのように行うのか、御答弁をいただきたいと思います。

村木厚子政府参考人
 虐待のお子さんに対するケア、施設でお預かりするのももちろん大事ですが、親子が再び一緒に暮らせるような環境を整えていくということも非常に大事なことだというふうに思っております。このために、今年の四月でございますが、改正児童虐待防止法の施行に併せまして、児童虐待を行った保護者に対する援助ガイドラインというものを策定をいたしました。これを今、児童相談所に通知をして、このガイドラインに沿って家族の再統一ということで御努力をいただいているところでございます。
 それから、先ほども若干触れたかと思いますが、平成二十一年度の概算要求におきまして、入所施設での入所が長期化をしているような御家庭を対象にして保護者指導ができる保護者指導支援員というものを配置ができるように新たに事業を創設をして、この予算を要求をしているところでございます。

森ゆうこ
 ありがとうございます。やはり専門家の配置、そして、そのための専門家の育成ということがますます重要であるというふうに考えます。
 続きまして、虐待を受け、児童養護施設に入った子供が施設の中で再度虐待を受けてしまうという悲惨な事件が起こっております。このようなことは絶対に許せません。特に、私は性的な虐待ということが報告されたときには本当にもう胸がつぶれる思いでございました。性的虐待は魂の殺人と言われています。絶対許されないことだと思います。
 今回の法案の中にもそのようなことを防ぐ方策が入れられているわけでございますが、これまでの取組と今回の法案における対応の枠組みについて伺いたいと思います。

村木厚子政府参考人
 虐待などを受けて施設に入ってきたお子さんがまた施設の中で虐待を受ける、また、特に性的虐待の場合は本当に傷が大きゅうございまして絶対にあってはならないことということで、今回、法律の中にこの虐待防止の仕組みをしっかりと取り入れたところでございます。
 まず一つには、施設内虐待等の発見者に対して通告義務を課したこと、また、施設内で虐待を受けたお子さんが都道府県等へ届出ができるような仕組みをつくったこと。それから二つ目としまして、通告をした職員等に対する不利益取扱いを禁止をすること。三つ目といたしまして、通告等があった場合に、都道府県によって子供の保護、施設に対する立入調査、業務停止等の処分ができるようにしたこと。それから四つ目としまして、国によって施設内虐待に関する検証、調査研究、また、都道府県等によって施設内虐待の状況等に関して公表をするといった規定を盛り込んだところでございます。
 施行に向けて先進的な取組をしている自治体もございますので、それらも参考として、関係者と連携をしながら都道府県の具体的な取組のガイドラインも作って、この改正法をしっかり生かして施策を進めていきたいと考えているところでございます。

森ゆうこ
 次の質問とも関連性があるんですけれども、やはり施設をもっとオープンに私はするべきだとも思います。
 例えば、介護施設なんかはボランティアが入れます。この児童養護施設等の福祉施設には、やはりボランティアであろうとも研修を積まなければ入れないとは思いますけれども、やっぱりもう少しオープンにして、例えば被害を受けている子供が直接訴えができるような、そういう場面がつくれるようにすべきだと思いますが、ちょうど十一月二十日に全国児童養護施設長研究協議会で報告されたんですけれども、これは東京都の児童養護施設二十四か所を一か月間にわたって調査した結果、子供間暴力が週に九十九件、子供同士の暴力、それから子供から施設の職員に対する暴力ということで大変な状況にあるということが浮き彫りにされました。
 施設における入所児童間の暴力への対応、これについてはようやく数字が出るようになりましたけれども、前から指摘をさせていただいておりました。今は施設に入所する子供のほとんどがと私は言った方がいいと思いますが、被虐待児なんですね。だから非常に対応が困難であると。今までの、さっき大臣が戦後の状況のことを言いましたけれども、そのときともう全く違うんですよ。だから、そのときと同じ感覚でこれを運営しようと思っては私はいけないんだと思うんです。
 そういう意味では、職員の配置基準をそもそも見直すべきであるというふうに改めて主張させていただきたいと思いますが、御答弁をいただきたいと思います。

村木厚子政府参考人
 子供同士の暴力の問題も施設の中で大変深刻な問題だと思っております。
 子供同士の暴力ということは、やはり子供の情緒そのものが安定しているかどうかということにかかってくるわけでございますから、その背景にあるやはりその子供一人一人に個別的なケアができているかとか、専門的な心理的なケアができているかということが非常に大事になってくるんだろうと思います。また、施設が組織として風通しが良く、第三者の目が入るということも非常に大事なことだろうというふうに思っております。
 子供にしっかりしたケアをするためには、やはり人員配置の問題、それから職員の専門性の問題というのは非常に大きい問題だということは、先生の御指摘のとおりだと思っております。今この見直しがどのようにできるかということで、施設に関する実態調査を既に始めておりまして、特に今年度後半、できればきちんとケアのできている施設などの実際のケアの状況などについてタイムスタディーのようなこともできないかということで検討しているところでございまして、こういった具体の調査の結果なども踏まえまして、職員配置とかあるいは施設の体系が今のままでいいのかどうかといったようなこと、しっかり検討していきたいと考えているところでございます。

森ゆうこ
 これまでそういう調査が行われてこなかったということは大変問題だと思うんですが、とにかく急いでそのような調査をやっていただきたいと思いますが。
 大臣、この児童福祉施設最低基準ですよね、その職員の配置基準というのは。しかし、その児童福祉施設最低基準、これを見ますと、第二条で「最低基準は、児童福祉施設に入所している者が、明るくて、衛生的な環境において、素養があり、かつ、適切な訓練を受けた職員の指導により、心身ともに健やかにして、社会に適応するように育成されることを保障するものとする。」と、このように第二条でうたっております。
 そうしますと、今もう環境が違うわけですから、そういう意味で、この第二条のものを実現するためにはやはり抜本的な人員配置基準の見直しが必要だと思いますけれども、御答弁をいただきたいと思います。

舛添要一厚生労働大臣
 例えば透明性の確保、そのためにどうするか、それは外の力を借りることもあると思いますが、様々な点でこの児童福祉の側面で十分ではない。それから、今御指摘のように、せっかく入った施設でまた虐待されると、こういうことは絶対にあってはならないわけでありますので、こういう点を含めてきちんと対応してまいりたいと思っております。

森ゆうこ
 こういうことに対しては、やはりお金が掛かるわけですね、マンパワーの強化というのが一番お金が掛かるわけです。くどいようですが、二兆円ばらまいているんだったら、これ二千二百億円の社会保障削減、これ戻ったってまだ余りますよ。どうしてそういうことにお金使ってもらえないのかなと思います。
 それで、最後の五分間、済みません、先般、先週、先々週かな、通告したんですけれども、質問できなかったんですが、ちょっと心配なことがあるので少しだけ質問させてください。
 公衆衛生についてなんですが、タミフル耐性菌というのが言われております。これを受けて鳥インフルエンザの対策の強化について、また、通告はしておりませんけれども、エイズの問題も大変深刻でございます。十二月一日はまた世界エイズデーということで、先般も日本においては非常に増えているということも報告されておりますので、そういう点についての対策強化について伺いたいと思います。

上田博三政府参考人
 タミフル耐性のインフルエンザの問題でございますけれども、国内外でタミフル耐性がインフルエンザウイルスに対してこれ確認されています。これ季節性インフルエンザというものに対してでございますけれども、またその状況について国際的な情報収集と国内調査を継続しておりますけれども、新型インフルエンザウイルスについてはその性質を発生前に予測することは困難でございます。
 しかしながら、我が国ではタミフル耐性ウイルスの出現を念頭に、新型インフルエンザ対策の一環として、平成十九年度までに百三十五万人分、さらに今年度の補正予算により追加百三十五万人分のリレンザも備蓄するとしたところでございます。新型インフルエンザ対策は、タミフルやリレンザなどの備蓄を進めるだけではなくて、隔離、停留などの水際対策、プレパンデミックワクチンの備蓄、研究開発、医療提供体制の整備、これらの総合的な対策が必要でございます。今後とも、このタミフル耐性の問題につきましては、国立感染症研究所が実施しておりますサーベイランス等によって耐性ウイルスの発生状況を把握して、新型インフルエンザの発生に備えてまいります。
 またエイズについては、我が国では先進国の中で唯一と言っていいほど感染が増加傾向にあるということでございます。御指摘の点を含めて、今後ともしっかりエイズ対策も進めていきたいと考えているところでございます。

森ゆうこ
 それで、SARSが問題になったときに、あのときは坂口厚生労働大臣だったと思うんですけれども、日本は公衆衛生が非常に発達しているんだと、だからこういう感染症を未然に防ぐ力もあるというふうなお話をしていられたかと思います。
 しかし、今日質問しようと思ったのは、もう時間がないんですけれども、先般、消費者センターから国民生活センターに対して付けづめによる危害情報が寄せられております。このネイルサロンとかネイリスト、ネイルアーティスト、私もたまに気分転換に行くんですけれども、こういうところは既存の美容師法というか、そういうところの法に入っていないんですよ。つまり、公衆衛生のその規制が掛からないところなんですね。それでカビが生えたりということは衛生管理がどうなっているんだろうか。美容業それから理容業においては、感染症の発生が問題になったときに非常に規制が強化されているんです。私は非常にアンバランスだと思うんですが。
 もう、ちょっと時間がないので簡単でいいんですけれども、そういうところに対して今後どのように対応されるのか伺って、私の質問を終わりたいと思います。

上田博三政府参考人
 美容師法における美容とは、パーマネントウエーブとか結髪とか化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいうとされておりまして、通常、首から上の容姿を美しくすると、このようなことでございます。
 したがいまして、首から上の施術を行わず、マニキュアとかペディキュア又は付けづめなどのネイルのみの行為を行っている場合には美容師法で言う美容には含まれないということでございまして、ただ美容所においてもこのような行為をしているところがありますので、これに対しては衛生水準の確保を図っております。
 また、このペディキュア、マニキュアについては関係団体、業界の団体がございまして、そこで衛生基準についてそれぞれ講習などを行ってやっていると、推進をしているということでございます。
 私どももそれについて都道府県などと連携をして、更にこの分野の公衆衛生が確保されるように努力をしていきたいと考えておるところでございます。

森ゆうこ
 時間なので終わります。


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